ラインハルト処刑エンドB
話し合いの結果、ラインハルトが処刑されることになった。彼は処刑用の拳銃を握りしめるセレスティアの目を見つめ「愛しているよ」と呟いた。その瞬間、彼女の目から涙が溢れる。引き金に触れる指が震えていた。
こんなこと…誰も望んでいないのに……
だが、その一瞬だった。
ラインハルトがポケットからスイッチを取り出す。しかし、それを彼が押す前に、レオナルドが彼の手を超振動ナイフで斬り落とした。
「うっ、ぐぁああああああ!!!」
ラインハルトの叫びが響く。
レオナルドは落ちたスイッチを拾い上げる。
「これは何のスイッチだ……! 言え!」
「言うわけないだろ。早く殺しなよ」
その時、後ろでリージェスが口を開いた。
「お前だったのか、アーシュ・ウルゴアが言っていた協力者というのは……。俺のユナとリズを……妻と娘をどうした!」
「はは、とっくに殺してるよ。」
額に脂汗を浮かべながらラインハルトが笑う。リージェスの表情は名状し難かった。怒りと、悲しみと、悔しさと色んなものがごちゃ混ぜになって、感情が今にも決壊しそうだった。
そして、リージェスはセレスティアから拳銃を奪い、引き金を引いた。ラインハルトがダランと腕を垂らし、動かなくなる。リージェスの目から大量の涙がこぼれ落ちる。もう、彼は感情を抑えることができなかった。
そんな彼を、グレイシアが包み込むように抱きしめる。そしてグレイシアが言った。
「もう……自分を責めないで……」
彼女も泣いていた。
そして、彼女は決心した。
これから先、リージェスの心が決して自分に向かないとしても、彼を支え続けると。
それを見ていたレオナルドは、誰にも聞かれないような小さな声で「幸せになれよ」と決して叶うことのない願いを口にした。
解説とあとがき