処刑無しエンドB

裏切り者であり、ユークリウス・ノアを殺した実行犯がリージェスであることはわかった。しかし、誰もリージェスを責めることなどできなかった。妻と娘を人質に取られ、自身もまた脳に極小の爆弾を入れられている。彼でなかったとしても、アーシュ・ウルゴアの指示に逆らうことができたかどうかわからない。

その瞬間、プチッと何かが弾ける音がした。そして、リージェスが倒れ込む。すぐさまグレイシアが駆け寄り彼を抱えるが、すでにリージェスは息絶えていた。

グレイシアがリージェスを抱きしめ涙を流す。セレスティアは拳を円卓に叩きつけ、怒りを露わにしていた。新人類側の非道すぎる行いを許せるはずがなかった。

翌日、リージェスが抜けたところには新しい幹部が任命され、捕虜解放作戦は実行された。しかし、それも1人の裏切り者、影で糸を引いていた人物によって失敗に終わる。

「ラインハルト……なんで……」
「頼む、セレスティア。投降してくれ」

遠征に出発したレジスタンス構成員のうち約6割にも及ぶ4,572名が死亡し、459名は新たに新人類側の捕虜となった。
その後、トップを一斉に失ったレジスタンスの残る約2,000人、遠征に赴かなかった構成員たちは、無謀な奪還作戦を行い全滅することになる。その日、人類の滅亡が確定した。

解説とあとがき