グレイシア(18)

グレイシア(18)を選ばれた方のみお進みください。

あなた達レジスタンスの幹部は2年前に前任者達が戦火に巻き込まれ死亡した際に就任した。あなたとセレスティア、ラインハルトが出会ったのはその時であり、それ以前からあなたと面識があるメンバーはリージェスとレオナルドだ。あなたとレオナルドは幼馴染だった。

9年前、当時9歳の頃に暮らしていた地区が新人類の支配下に置かれ、あなたとレオナルドはお互いに両親を失い、一時生き別れることになる。
しかし、それから2年後、今から7年前のことだ。あなたの前にレジスタンスの戦士としてリージェスが現れた。2年間、両親を失い家畜のように扱われ絶望しかなかったあなたにとって、彼はまさに憧れの英雄だった。
いつしか彼の隣に並び立てるようになりたい。そして願わくば……そんな想いを胸に、あなたは彼の役に立てる場所を探し、必死に研鑽を積んで来た。気がつけば、あなたはレジスタンス内の医療部門でもトップの実力を持つようになっていた。

そして2年前、前任者が死亡し幹部が入れ替わったのを機に、あなたは再びリージェスと出会うことになる。あなたは彼に告げた。「今度はあなたを助けるためにここに来ました」と。彼は驚いていた。あなたは内心ガッツポーズをとっていた。やっと……やっと彼に並び立てる。そして彼と……
だが、あなたの想いは叶わないことを唐突に知ってしまった。基地内でリージェスが誰かと話しているのを聞いてしまったのだ。彼には妻と、3歳になる娘さえいるらしい。あなたは酷く落ち込んだ。この5年間があっさりと否定されてしまった気さえした。それでも、5年間も抱き続けた憧れと恋情を、消してしまうことなどできなかった。そしてあなたは決意した。彼を奪ってでも自分のものにしようと。間違っているのはわかっている。それでも……

幼馴染のレオナルドとは、7年前の同じ時期に救い出されていた。しかし、あなたとは捕まっていた場所が違ったため、レオナルドとリージェスとはお互いに幹部となるまで関わったことはなかったらしい。救い出されてからも、あなたとレオナルドの関わりはまた続いている。まさに腐れ縁というやつだ。
そして、あなたが医療部門で研鑽を積むのと同じように、レオナルドも科学分野で研鑽を積み、あなたが医療部門のトップに登り詰めるのと同じ頃に彼も科学部門のトップとなっていた。しかし、あなたとレオナルドは仲が良いわけではない。彼はあなたを見かける度に皮肉や小言を言うし、あなたはそんな彼の言動を好いてはいなかった。言い争いをすることも度々あった。この関係は、2人が幹部になってからも続いている。

一昨日の行動

この日、幹部メンバーは朝から全員が基地内にある幹部会議室に集まっていた。そこで話し合われたのは、捕虜となっている人類の解放作戦。決行は3日後だ。昼まで続いた会議を終え、それぞれが持ち場へ戻っていく。あなたも自らがトップを務める医療棟へと戻っていった。
そこでひと仕事を終えたあなたは、リージェスに会いたくなり訓練棟へと向かった。そして、通路で立ち止まっていたリージェスを見かけ、声をかける。

「リージェスさん! どうされました?」
「あ、あぁ、グレイシアか。何でもないよ」

そう言って彼はやさしく笑いかけ、あなたの頭を撫でてくれた。この声が、やさしい笑顔が、撫でてくれる大きな手が、全部が好き。
こうして彼と居られるだけで、あなたの心は満たされる気がした。だけど、リージェスはすぐにどこかへ行ってしまった。

リージェスと別れたあと医療棟に戻ると、そこにはレオナルドがいた。
あなたが「何をしに来たの?」と言うと、レオナルドは「君がちゃんと仕事をしているか見に来たのさ」と言った。あなたが「あっそ、あんたこそ仕事に戻れば?」と言うと、彼はムッとした顔をして帰っていった。
夜になり仕事を終えたあなたは、居住区にある自宅に帰っていった。
レジスタンスでは、決行前々日辺りは全構成員に休暇を言い渡すことが少なくない。例に漏れず、明日は休みだ。つまり、明日はリージェスと会えない。3日後には捕虜解放作戦が行われる。そうなれば、戦闘で活躍する彼は前線に赴き、帰ってこない。もし彼が死んでしまえば……そんな不安をかき消すように、あなたは布団を被った。

昨日の行動

あなたは、朝から誰もいない基地へと来ていた。いまごろレジスタンスの構成員のほとんどは家族との時間を過ごしているのだろう。
きっと彼も……、そんなことを基地内を散策しながら思った。

自分にはもう親はいない。
唯一の幼馴染も、会えば喧嘩ばかり。
恋人になりたいと思った人にも家族がいた。
自分が感傷的になっているのがわかった。

昼ごろ、ふと思い立って通信機を取り出し、リージェスへと繋げる。すると、彼はすぐに通信に応じてくれた。

「あ、リージェスさん!」
「グレイシアか。どうした?」
「えっと……その……」

かけてみたは良いものの、自分が何も話す内容を考えていなかったことに気がついた。少し考えて、それからまた思ったことを話し始める。

「あの……明後日からの作戦でリージェスさんたちは最前線で戦われるので……、その……私たちも全力でリージェスさんたちの力になりますので……!」
「あぁ、知ってる。いつも助かってるよ」
「は、はい! ではまた明日!」
「あぁ、また明日」

短い時間だけど、彼の声が聞けてよかった。
そう思って通信機をポケットにしまう。

結局、夕方まで基地にいたあなたが居住区/西側の自宅へ戻ると、入り口の前にレオナルドが立っていた。

「何しに来たの?」
「なんだよ、心配して来てやったんだろ」
「別に心配してなんて言ってないけど」
「そうかよ……」

それだけ言葉を交わし、あなたは自宅へ入る。それを見て諦めたのか、レオナルドは自宅の方に帰っていった。

今日の行動

この日、あなたが基地に着くと、入り口に不審な箱が置いてあるのを見つけた。あとからやって来たレオナルドに頼み中身が爆発物や危険物でないことを確認し、添えられていた手紙の指示に従って幹部会議室へと持って行き、円卓の上に載せた。箱は随分と重かった。

その後、ラインハルト、リージェス、セレスティアの順で幹部メンバーが揃った。
そして、「必ず幹部全員で開けてください」との指示に従い、セレスティアが添えられていた手紙を読みつつ箱を開けた。中身を見た瞬間、目の前でセレスティアが崩れ落ちた。

「ハローハロー、旧人類のみなさま、いかがお過ごしですか?」

そんな調子はずれの挨拶文が書かれた手紙の添えられていた箱の中に入っていたのは、レジスタンス代表であるユークリウス・ノアの無残にもバラバラにされた遺体だった。

「絶対に許さない…!!」

セレスティアの叫びが部屋の中で響いた。

あなたの持ち物

簡易医療キット

あなたが常に持ち歩いているもの。メスや包帯、麻酔薬などが入っている他、最新の科学技術で作られた超振動ナイフなどが入っている。この超振動ナイフはつい先週に科学班から配布されたものであり、人間の骨や肉くらいであれば簡単に切ることができる。もちろん、あなたの持つこれはあくまで医療のために使用されるものだ。

あなたの住居

あなたは居住区/西側で一人暮らしをしている。
また、近所にはレオナルドも住んでいる。

あなたしか持たない情報

つい先日のことだ。レジスタンスの活動中に新人類の遺体が比較的綺麗な状態で手に入った。あなたは医療班の数人と共にそれを解体・分析を行った。その結果、新人類の平均的な身体能力は遺伝的に人類側の戦闘員に匹敵するようだ。この研究の成果は未だまとまっておらず、幹部会でも共有していない。

勝利条件

・裏切り者を特定する。

ミッション

・作戦決行前にリージェスへ想いを伝える。
・他の幹部の秘密を知る。

特殊技能

簡易生体スキャン

あなたは、簡易的な医療機器を使ってスキャンした相手の生体的な特徴や異変を知ることができる。もちろんこれは簡易的なものであり、何人もの人間に使えるものではない。使うべき相手を正確に見極めなければならない。
また、あなたはその医療班として培った知識で、ユークリウスの遺体をより詳細に確認することが可能だろう。しかし、選べるのは2回だけだ。慎重に選んでくれ。

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